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カウンセリングサービスの松尾たかです。

暑さ続きの中、ふと思い出したこと。
8月1日は父の命日。
同じように雲一つない良い天気で、とても暑かったのを覚えています。
もう27年も前のこと。まだ父は還暦を迎えて数か月だった。

この数年は、気づいたら命日が過ぎていたなんてことも多くて、
今年はこうして思い出したのもなにか意味があるのかもと思いながら、
ブログを書いています。

よかったら、思い出話におつきあいくださいね。

 *  *  *

病気で入院中の父は数日前から意識はなく、もう時間の問題と言われていたのだけれど、
容態が少し安定したので、私は朝早めに会社に行って病院へもどるつもりをしていた。

そうしたら、会社へ着いてすぐくらいに、家から会社に電話があり呼び戻された。
(当時はまだ携帯電話なんてなかった・・ のも思い出した。)

電車の中で
「なんで会社へ行っちゃったんだろう。私の仕事なんて誰でもできるのに・・」
「私が着くまで生きててほしい」
「パパが死んじゃったらどうしよう・・」 (しっかり私は大人でしたけど)

と焦る気持ちや後悔の気持ちをずっと感じながら、
もどかしい時間を過ごしながらようやく病室へ到着したけど、
父は旅立った直後だった。

その時は呆然と立ち尽くしたことくらいしか記憶になかったのだけれど、
最期に立ち会えないことがこんなに悲しくて、辛くて、
最期に私が何も伝えられなかったこと、伝えてもらえなかったことが
本当に悔しかったし、申し訳なかったと思っていたんだなと、今、思う。

父とは会えば口喧嘩となってしまうような間柄で、
私にとっては、
私のことをわかってくれない父、
妹ばかりを可愛がる父、
ずっとそんな印象だった。

もちろん、父からすれば、
妹にも私にも、どちらも同じように接してきたつもりだったのだろうけど、

私からすると、同じことをしても、怒られる私と怒られない妹、
そんな思いしかなかった。
(私は愛されない、とずっと思っていたのよね。)

だから、父のことは大嫌いではないけれど、
話せばケンカになることが多かったから、
いつしか距離をとるようになったと記憶している。

元気だった父がその年の春先に体調不良を訴え、
検査で病気がわかってから、わずか4か月ほどのことだった。

毎週、病院へお見舞いに行くと
笑顔で迎えてくれるときもあれば、
良くならない状況に苛立って機嫌が悪そうなときもあり、
どちらにしても、
かける言葉が見つからない私は、あまり話ができなくて
30分もそこに居られず帰ってしまってた私だったね。

入院する直前に、前から乗りたかった車を買って
病院の駐車場に納車してもらい、
入院当初は駐車場まで車を見に行ってた。
嬉しそうに病室の窓から「あの車や」と教えてくれた。
車に乗りたくて、きっと治療も頑張ったんだよね。

結局、一度も自分では運転することなく旅立ったけど、
一時帰宅の際に、私の運転で車に乗った時はご満悦だったと
私は今でも思ってるよ。

あなたの姿が病院にある、
病院に行けばそこに居る、
それがどれだけ大きな意味があったのか、
あなたが旅立った後、本当に強く思い知らされた。

家族のために何もできなくても、
たとえ意識がなかったとしても、
そこにあなたが居る、身体があるいうだけで、
心強かったし、安心できる気がしていた。

生きているだけで、あなたは家族の力になってくれていたよ。


父の命日に感謝をこめて。

 *  *  *

父の葬儀の際、父と同じ会社で働く人たちから聞いた言葉は
「いつもニコニコして穏やかな人だった」
「いつも優しかった」「怒った姿は見たことがない」
「いろんな機械や装置を手掛けていた」(技術系とは聞いていたけど・・・)
など、私の想像もしなかったことばかりでした。

「ええっ!!」とオドロキながらも、
そんな人だったんだとあらためて認識してみると、
そんな父を知ろうとしなかったことを少し悔やんだりもしたけれど、
そんな父であったことを本当に嬉しくも思えたのでした。

そうすると、少し距離が近くなったような気もしたし、
父と仲良くなれたようにも、
父に許されたようにも、父を許せたようにも思うきっかけだったと感じます。

心理学を学んで、今思うことは
もし父がまだ生きていたら、どんな関係になっていたのかな、ということ。

もっとお互いに優しく言葉をかけあえただろうし、
もっと素直に父からの愛情を受け取れたかもしれません。

そして、今年、私はあなたと同じ歳を迎えます。


                                 

私が父に対して思ったように、
あなたにも覚えておいてほしいことがあります。

「あなたは生きてるだけで誰かの力になっている」


あなたの心に留めておいてもらえますように。


                                 

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